「ラーメンが熱いです」はいいですか? 「は」と「が」 #34

私は会社員をしながら、副業で日本語を教えています。日本語教師とは言っても大人数のレッスンや対面のレッスンではなく、オンラインでマンツーマンのレッスンをしています。
このブログを始める時はタイトルの通り、日本語教師に関する記事を半分以上の割合で書くつもりでした。でも、ほとんど書いていないので、たまにはレッスンの事を書いてみようと思います。

 

今、教えているアメリカ人の生徒さん、「みんなの日本語」の8課を勉強をしているところです。「みんなの日本語」とは初級者用のテキストで、8課では形容詞を扱います。例えば、暑いや新しい等の形容詞は否定文にする時、「い」を「く」に変えて「ない」を付けて、暑くない、新しくないという形になる事を学びます。
今回、アイスクリームは冷たいです。ラーメンは熱いです。と練習していた時に生徒さんから聞かれました。

 

「ラーメンが熱いです。」はいいですか?

 

私の友だちはおもしろいです。小川さんは会社員です。の様に性質や属性を言うときは「は」を使います。ラーメンは熱いですの場合、ラーメンの性質について述べているので、「は」を使っています。「ラーメンは熱いです」という文では「は」の後ろの「熱い」が言いたい事になります。

「が」を使うときは、「が」の前の言が言いたい事になります。例えばラーメンの他にも冷たいお蕎麦とか冷やし中華とかいくつかのメニューがあって、「どれが熱いですか?」と聞かれたら、「ラーメンが熱いです」と「が」を使うのが自然です。

ラーメンは熱いです。←「熱い」を伝えたい。
ラーメンが熱いです。←「ラーメン」を伝えたい。

というような事を今回のレッスンでは、説明しました。文が文なので、ちょっと分かりにくかったかもしれません💦

 

日本語母語話者は無意識に使い分けていますが、「は」と「が」は奥が深いんですよね。これはよく例に出される文ですが、
むかしむかし、ある所におじいさんとおばあさん住んでいました。おじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に行きました。
この文から分かるように、新しい情報は「が」、既に出ている情報は「は」になります。

「村上さんは事務所にいます。」の様に所在の文は「は」が多いです。対比にも「は」を使います。「頭が痛い。」の様に体のことを言う時や見える、聞こえる、分かる、出来る等には「が」を使うことが多かったり、他にも使い方の違いが沢山あります。

 

「は」と「が」の質問をされたのは初めてではないので、聞かれた時に初級の生徒さんにも分かりやすい資料を作っておこうと思いました。生徒さんが分かったような分からないようなモヤモヤした気持ちのままレッスンが終わることは避けたいです。少しづつでも、良いレッスンが出来るようになったらいいなと思います。